ウラジオストクでは、7月1日から15日まで極東の食の祭典「ホタテフェスタ」が行われています。このフェスタは2017年から始まり、今年で4回目です。
日本海に面したウラジオストクは、ズワイカニやイクラ、ナマコなどの海の幸が豊富で、市内のレストランでは「海の宝石」と呼ばれるホタテ料理も有名です。もともとロシア人はシーフードをあまり食べませんでしたが、古来この地に暮らしていた先住民族や日本をはじめとした近隣アジアの国々の食文化の影響を受けて「パシフィック・ロシア・フード」という新しい食の潮流が生まれています。
ホタテフェスタはその潮流から生まれたフェスタのひとつ。ウラジオストクでは1年を通じてワカサギやタラバガニなどの食のフェスタも開かれています。
ホタテフェスタでは、ウラジオストク市内の30店以上のレストランで創作ホタテ料理を提供します。調理法はさまざまで、生ホタテに特製ソースをかけたり、グリルしたり、グラタンにしたりと、日本人の感覚とはひと味違うオリジナルな味わいが楽しめます。どのレストランでもこのフェスタ中は、生ホタテ3個が350ルーブル(530円)というお得な料金で食べられるそうです。
ホタテフェスタのオーガナイザーは、市内にある人気のアジアフュージョン料理店「ズーマ(ZUMA) 」 のオーナーです。
この店はロシア国内のレストランランキングで25位にランクされている有名店ですが、オーナーのすごいところは、このフェスタをウラジオストクだけでなく、モスクワやサンクトペテルブルク、ソチなどロシア国内30都市のレストランでも同時に開催していることです。ちなみに極東ロシアでは、ハバロフスクやブラゴヴェシチェンスク、ユジノサハリンスク、ウスリースク、ペトロパブロフスクカムチャツキーなどのレストランも参加しています。
ズーマのシェフであるイーゴル・アニシモフ氏は「私にとってホタテは極東のシンボルです。低カロリーで高タンパクな食材で、さまざまな調理法を組み合わせることでバラエティ豊かな料理を創ることができます」と話しています。