世界中のスポーツファンが待ち望んでいた東京2020オリンピックがついに開幕しました。
開幕を控え、世界各国のアスリートたちはより良いコンディションで競技に挑むため、直前までトレーニングに集中してきました。
ハバロフスクとオリンピックにどのような関係があるのでしょうか。実はハバロフスクは、東京オリンピックに派遣される6つの競技のロシア代表チームが強化合宿した場所でした。自転車競技のBMXフリースタイルやマウンテンバイク、フェンシング、トランポリン、飛び込み、そしてバスケットボール3×3の代表選手で、約150名が開幕前のしばらくの間、ハバロフスクを訪れていたのです。
○ 自転車競技(BMX フリースタイル) (olympics.com)
○ 自転車競技(マウンテンバイク) (olympics.com)
○ フェンシング | 東京2020オリンピック | NHK
○ トランポリン | 東京2020オリンピック | NHK
○ 飛び込み | 東京2020オリンピック | NHK
○ バスケットボール3×3 | 東京2020オリンピック | NHK
合宿の様子については、YouTubeで観ることができます。
またアスリートたちの声を以下のハバロフスクの地元メディアが伝えています。
Быстрее, выше, сильнее (khab-vesti.ru)
記事によると、数週間前までハバロフスクで行われていた6つの競技のロシア代表チームの事前強化トレーニングに参加したアスリートたちは、もともと2020年8月にピークが来るよう数年前から計画的にトレーニングしていたことから、パンデミックによって標準を大いに狂わされました。サッカーなどのメジャースポーツでない限り、この1年国際的な大会もなかったことで、コンディションを取り戻すことが大きな課題だったそうです。いま東京には数万人という各国のオリンピック選手が来ていますが、それはすべてのアスリートに共通の課題だったことでしょう。
ところで、ハバロフスクは日本からフライト3時間という近さにあることもそうですが、市内に充実したスポーツ施設が揃っていることが強化合宿の場として選ばれた理由でした。そこで、今回はハバロフスクにある3つのスポーツ施設を紹介したいと思います。
1. スタジアム「ユーナスチ(Юность)」
スタジアム「ユーナスチ」は1986年に開設されました。現在、このスタジアムは世界レベルの設備を伴うスポーツ施設となっています。たとえば、合成材質で舗装された大小のサッカーコート、砲丸投げ、高飛び、走り幅跳び、棒高跳びの練習場や最新舗装の8レーンを備えた陸上競技施設があります。
このスタジアムでは過去に、イワン・スコブレフ(Иван Скобрев 2010年バンクーバー冬季オリンピックのスピードスケート銀メダリスト)、アレクサンドル・モギリヌィ(Александр Могилин 1988年ソウルオリンピックでアイスホッケー優勝)、スヴェトラーナ・クリュカ(Светлана Клюка 2008年北京オリンピック出場の陸上選手)などの選手たちがトレーニングを行いました。
2. レーニンスタジアム(Стадион имени Ленина)
レーニンスタジアムは1957年に開設されました。中央入口の建築デザインはスターリン様式で造られていて、古典的なスタイルの円柱やソ連時代のスポーツ選手の銅像で飾られています。現在、レーニンスタジアムは極東でも有数のスポーツ施設とされています。スタジアムの名刺的な存在として、天然芝のサッカーコートがあり、地元のサッカークラブ「CKAハバロフスク」のホームグランドです。
スタジアム内には、草花がたくさん植えてある庭園や公園、並木路があって、ハバロフスクの市民が大好きな場所です。また、スタジアムの憩いの場として、噴水広場や運動場、テニスコート、カフェも並んでいます。
おそらく極東ロシアのスポーツ施設の中では、レーニンスタジアムのように歴史があって、バンディの世界大会や国内サッカーリーグの試合だけでなく、国内外の著名なミュージシャンらによるライブなどが盛大に行われたスタジアムはないかもしれません。
※バンディというのは、サッカーコートくらいある大きな氷のフィールドの上で行うアイスホッケーで、ハバロフスクにはプロのチームもあります。
3. ザイムカ(НА ЗАИМКЕ)
ザイムカは、ハバロフスク市内から南東のアムール川沿いにある保養地で、敷地内にスポーツ施設が2014年に開設されています。水泳場や運動場、屋内トレーニング場、エアロビクスルーム、レスリング場、体操場があります。
最新の更衣室やシャワールーム、トレーナー控室および医務室が備わっていて、大変便利です。バスケットボール3×3のロシア代表選手団がここで最終調整を行いました。